本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
近年、日本企業が情報を盗まれるケースが後を絶たない。携帯電話の液晶技術や通信機器が外国勢力に狙われたり、工場の金型などから先端技術の試作品が持ち出されたり、化粧品や食品関係の企業秘密が盗まれたという話もある。中国企業関係者に日本企業が乗っ取られたとされる事例もある。
また昨今では、M&Aやビジネス提携、共同開発などをはじめ、幹部のリクルートや新規採用でも、国内外の企業やビジネスパーソンが入り交じることになり、企業にとって大きなリスク要因になっている。
そうした情報を収集・分析できる「インテリジェンス」を喉から手が出るほど欲しいという企業は多いだろう。さらに、競合についての分析情報も手に入るなら欲しいはずだ。
最近、そんなスパイさながらの情報活動を担う、企業インテリジェンスを提供するサービスが日本でも注目されているのをご存じだろうか。
筆者は今回、企業インテリジェンスの分野で世界をリードする米国企業、クロール(Kroll)の日本支社長に取材した。企業インテリジェンス分野は日本ではまだなじみが薄いが、世界では当たり前のようにビジネスに組み込まれ、不可欠な存在になっている。
そこで、さまざまな分析情報を企業などに提供する企業インテリジェンスの実力を探ってみたい。
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