CxO Insights

新人記者が聞いた、ビズリーチ創業者・南社長の「確かな未来から逆算する」思考術(1/3 ページ)

» 2025年06月16日 11時51分 公開
[米倉志保ITmedia]

 「君は何歳までアイティメディアで働くの?」――。

 2009年に即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を立ち上げた南壮一郎氏。創業したビズリーチがVisionalグループとして経営体制を移行した後、現在はグループ経営を支えるホールディングカンパニーであるビジョナル(東京都渋谷区)の社長を務める。

 同社は、企業の採用者から求職者に直接スカウトが届く「ダイレクトリクルーティング」で企業の人材採用の在り方を変え、事業を拡大してきた。その一方で、物流やサイバーセキュリティといった領域でも新規事業を立ち上げている。

ビジョナル 代表取締役社長 南壮一郎氏(ビジョナル提供、以下同)

 南社長は、新規事業に乗り出す際に、既に同様の事業に取り組む国内外の企業を訪問し、社員も含めて関係者の話を聞き、徹底的にリサーチした上で市場を見極めるという。そんな彼の社会の変化を読み解く視点について、 ITmedia ビジネスオンラインの新人記者が、初めてのインタビューに挑んだ。

「一次情報が一番大事」“確実な未来”をどう見つけるか

――事業を展開する際に大切にしていることを教えてください。

 一次情報が1番大事です。インターネットに書いてあることは、誰かが意図を持って発信しているんですよ。誰かにとって都合のいい情報なんですよね。

 でも、一次情報を突き詰めると必ず真実が見つかります。ポジティブなこともあれば、ネガティブなこともある。事業もそうなんです。徹底的に調べると、世の中で10年後にどんなことが起こるか、大体は分かるんですよ。

――一次情報を徹底的に集めて、確実な未来を知るということですね。具体的には、どのように考えるのですか?

 例えば、日本の人口は増えますか? 減りますか?

――減ります。

 うん、なんで?

――少子化が進むからです。

 ですよね。だって、2024年は約68万人しか生まれていないんですから。このままでは、絶対に少子化は止まらない。

――確かにそうですよね。少子高齢化は日本の確実な未来ですよね。

 次に、世の中って今後デジタル化していくと思う? していかないと思う?

――していくと思います。

 そうだよね。ITによって利便性が高まる一方で、リスクも必ず高まっていきます。だから、サイバーセキュリティの領域は絶対に広がっていく。世の中の流れの中で、既に決まっていることがあるんです。そうした拡大していく社会課題を、当社は事業のテーマにしています。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR