買収発表後、日本製鉄の株価は一時的に売られたが、足元ではやや持ち直している。だが、依然として「負担が大きすぎる」との見方も根強い。買収額に加え、110億ドルの投資義務が上乗せされることで、財務面の負担は軽くない。
また為替の先行きをみても、米国が利下げ、日本が利上げに転じているさなかでの買収は円高リスクが大きそうだ。買収時よりも円高が進めば、日本製鉄にはただでさえ経営の自由度が制限されている中で、追加の“含み損”リスクが増すだろう。
実際、日本製鉄は2024年3月期決算で最終減益を発表し、2025年3月期も減益を予想している。配当も減額の見通しだ。投資家は買収の中長期的なリターンを冷静に見極めようとしている。
買収承認は大きな前進だが、「日本製鉄は結局損したのか」どうかの答えはまだ出ていない。買収額の大きさと条件の厳しさを考えれば、短期的には割に合わないと感じる投資家も多いだろう。
しかし、今回の買収により、日本製鉄は米国市場における存在感を大きく高めることも事実だ。米国内の鉄鋼需要は再び増加傾向にあり、トランプ関税をめぐっては現地生産への回帰もはじまりつつある。
このディールが「投資」になるのか「負担」になるのか。それは、今後数年にわたる統合でシナジーが生まれるかにかかっている。日本製鉄にとって、買収はあくまでスタート地点に過ぎない。
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