なぜユニクロは万引犯を“訴える”のか? 裁判も辞さない背景に何が(1/3 ページ)

» 2025年07月01日 08時45分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 外国人グループなどによる万引事件が相次ぐ状況を受け、衣料品チェーン「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは今月、特定した万引犯に対し、全ての損害を民事手続きで賠償請求する方針を明らかにした。万引は全国のドラッグストアなどでも多発し、年間被害額は推定で3千億円超。被害企業が賠償請求するケースはまだ少ないが、今回の動きを受け、業界団体は「賠償請求する企業は増えていく」との見方を示す。

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 「指定された商品を盗めば報酬がもらえた」「生活費のためだった」

 大阪市内のユニクロ店舗で衣料品を万引したなどとして、大阪府警が昨年逮捕したベトナム国籍の30〜40代の女3人は、こう供述したという。

 3人はベトナム国内の人物からの指示で日本とベトナムを行き来し、1回の渡航で報酬として17万〜21万円を得ていた。万引行為は大阪や兵庫、東京など4都府県のユニクロで37件確認され、被害総額は計約1230万円。「3カ月近く生活できるお金が手に入った」とも供述したという。

 ベトナム人による集団万引を巡っては、ユニクロ店舗を中心に8都府県で総額約2千万円の被害を確認したとして昨年2月、福岡県警が男女4人を逮捕したと発表するなど、各地で摘発が相次ぐ。警察庁のまとめによると、近年は全国で万引で摘発された外国人のうち5〜7割ほどをベトナム人が占める。

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