売り上げ世界一も“一人負け”状態 なぜ「クール」だったナイキは失墜してしまったのか(1/5 ページ)

» 2025年07月22日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

著者プロフィール

岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)

ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント

1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。


 世界のスポーツブランドの中でもトップクラスに属する企業、米ナイキが苦戦しています。一方でドイツのアディダスや国内ブランドのアシックス、ミズノは好調です。

 ナイキが復活するには何が必要なのでしょうか。流通小売り・サービス業のコンサルティングを約30年続けてきているムガマエ代表の岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。

ナイキはもうクールではないのか?

 最近、筆者は街に出かけるたびに「人々の足元」に注目しています。先日も新宿駅から池袋駅まで電車で移動中、乗降客の靴のブランドを見ていたのですが、ナイキを履いている人は1割も見つけられませんでした。カジュアル化が進み、スーツでもスニーカーやスポーツシューズを履く人が増えた今、代名詞である「スウッシュマーク」のついた靴がこれほど少なくなっているのかと驚きました。

ナイキが苦戦している理由は?(提供:ゲッティイメージズ)

 「Is Nike Still Cool?(ナイキは今もクールなのか?)」

 米有力ファッション誌のGQは、2024年8月にこんなタイトルの記事も掲載しています。

 ナイキは世界で最もクールなブランドだったはずです。世界的なブランドコンサルティング会社であるインターブランドが毎年発表する「ベストグローバルブランド」によると、2024年にナイキは14位に後退していました(前年は9位)。アップルと並んでクールなトップブランドといわれていたナイキが、なぜ今やクールではなくなっているのでしょうか。

インターブランド「グローバルのブランド価値評価ランキング「Best GlobalBrands2024」より一部抜粋
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