風呂上がり、脱衣所の暑さやドライヤーの熱で、せっかくの入浴後にまた汗をかいてしまう──。この不快さを解消するため、家電メーカーのサンコー(東京都千代田区)は7月17日に「またがる扇風機『またせん』」(1万6800円)を発売した。
家庭用扇風機市場は機能面での差別化が難しい中、同社は“脱衣所専用”というニッチな用途に着目。夏場の入浴後というピンポイントのシーンに特化することで、新たな需要を掘り起こそうとしている。
「またせん」は、人感センサーを搭載しており、その名の通り本体にまたがると自動的に風が出る。前後2つの送風口からは、最大で秒速15メートル(メーカー測定値)の風が吹き出し、体の前面と背面を同時に冷やす。
発売から10日余りの販売数は約100台にとどまる。しかし、同社の広報担当者は「暑い日が続く中、これからの売れ行きに期待している」と語る。
実はサンコーは、乗って使う「のれる扇風機『のれせん』」という風呂上がりに特化した扇風機をすでに販売しており、7月末時点で累計4万3000台を売り上げている。今回の「またせん」は、その進化版といえる。
価格は「のれせん」(希望小売価格9980円)より高い1万6800円(同)に設定。その理由は機能の拡充にある。センサー式に加えて温風機能を搭載。「送風・温風・熱風」の3段階調整が可能で、冬の寒い脱衣所でも使えるようにした。
夏限定だった製品を通年で使えるようにすることで、利用シーンを広げる狙いがある。さらに壁掛けも可能で、ドライヤーと併用して髪を素早く乾かすという新しい使い方も提案している。
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