「またがる扇風機」は入浴後の“汗かき地獄”を救うのか? 累計4万台ヒット家電の進化版(1/3 ページ)

» 2025年08月03日 07時00分 公開

 風呂上がり、脱衣所の暑さやドライヤーの熱で、せっかくの入浴後にまた汗をかいてしまう──。この不快さを解消するため、家電メーカーのサンコー(東京都千代田区)は7月17日に「またがる扇風機『またせん』」(1万6800円)を発売した。

 家庭用扇風機市場は機能面での差別化が難しい中、同社は“脱衣所専用”というニッチな用途に着目。夏場の入浴後というピンポイントのシーンに特化することで、新たな需要を掘り起こそうとしている。

photo またがる扇風機「またせん」を発売(画像はサンコー提供、以下同)

 「またせん」は、人感センサーを搭載しており、その名の通り本体にまたがると自動的に風が出る。前後2つの送風口からは、最大で秒速15メートル(メーカー測定値)の風が吹き出し、体の前面と背面を同時に冷やす。

 発売から10日余りの販売数は約100台にとどまる。しかし、同社の広報担当者は「暑い日が続く中、これからの売れ行きに期待している」と語る。

photo 人感センサーで自動的に風が出る

 実はサンコーは、乗って使う「のれる扇風機『のれせん』」という風呂上がりに特化した扇風機をすでに販売しており、7月末時点で累計4万3000台を売り上げている。今回の「またせん」は、その進化版といえる。

 価格は「のれせん」(希望小売価格9980円)より高い1万6800円(同)に設定。その理由は機能の拡充にある。センサー式に加えて温風機能を搭載。「送風・温風・熱風」の3段階調整が可能で、冬の寒い脱衣所でも使えるようにした。

photo 温度・風量は3段階で調整できる

 夏限定だった製品を通年で使えるようにすることで、利用シーンを広げる狙いがある。さらに壁掛けも可能で、ドライヤーと併用して髪を素早く乾かすという新しい使い方も提案している。

photo 壁掛け使用も可能
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