インタビューでは、「子どもが生まれたばかりで、まだ経済的な余裕の少ない30代」にターゲットを絞り、さまざまな質問を投げかけました。
その結果、「20年後に子どもと乾杯すること」や、「その日を迎えるまでの積み重ねや振り返りの時間」に対して、11万円を払う価値があると感じる人が多いと確信できたといいます。それと同時に、このウイスキーが「単なる商品」ではなく、「20年分の家族の思い出が詰まったもの」として受け入れられる可能性が高いことに気付きました。
こうして「人生で、一生忘れられない乾杯を」というキャッチコピーとともに、Makuakeでのプロジェクトを実施することになりました。
結果として11万円という決して安くない価格にもかかわらず、販売開始からわずか4分で1億円を売り上げ、生産上限であった2500セットを即日完売させることに成功しました。
Makuakeの販売ページには「20年後に子どもと乾杯できるのを楽しみにしています」といった、家族や自分の未来を思い描いたコメントが500件以上寄せられました。
このプロジェクトから学べるのは、ターゲットである生活者への丁寧なインタビューを通じて、ニーズと価値の確信を得ることの大切さです。
「コスパ」や「タイパ」といった言葉が注目され、利便性や効率性が求められがちな時代においても、「顧客価値」を見極めることで、顧客から応援される商品やサービスを生み出せる。まさに、それを体現した好例といえるでしょう。
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