料金値上げで追随したのがKDDIだ。通信品質の向上やポイント還元などの付加価値を追加した新プランを開始した。8月からは既存プランの契約者にも数百円の値上げ。消費者に理解を求める「王道」の価格転嫁を実施した。
ソフトバンクは、2社の料金改定で新規顧客の獲得チャンスととらえ、様子見戦略をとる。その代替策が、事務手数料の有料化だ。8月20日から携帯電話の新規契約や機種変更など各種手続きにかかる手数料を、無料だったオンラインでの申し込みは3850円とする。店頭手続きも3850円から4950円に引き上げる。
事務手数料を巡っては、NTTドコモも値上げで追随する。オンラインでは無料を維持するが、9月から店頭での手続きが3850円から4950円になる。
世界的な物価高で通信設備の整備費用や労務費が高騰し、収益を圧迫してきた携帯電話大手。食品や家電など、ほとんどの業界で値上げが相次ぐも、2018年以降、政府が「4割値下げする余地がある」と値下げを主導してこともあり、値上げに方針転換できずにいた。
事務手数料の値上げはこうした背景も受けた苦肉の策で、安定した収益改善が見込める料金値上げを実施したいのが本音だ。宮川潤一社長は8月5日の決算会見で「業界の健全な発展のためには、料金プランの見直しが必要」とにじませる。
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