物価高が続く中、収入を増やすための実務直結スキルに注目が集まっている。プログラミング学習サービス「SAMURAI ENGINEER」を運営するSAMURAI(東京都港区)が、全国の働く男女300人を対象に「物価高時代におけるキャリア選択の実態調査」を実施。いま注目を集めている実務直結スキルとは?
収入を増やすために興味のあるスキル1位は、「英語・語学」(38%)だった。2位には「IT・プログラミング」と「マネジメント・リーダーシップ」(同33%)が入った。経済産業省は「2030年には最大79万人のIT人材が不足する」と予測しており、ITリテラシーの有無が年収や昇進に影響を与える場面が増えている。
経産省が発行する「IT人材白書」によると、ITエンジニア全体の平均年収は約600万円で全体平均を上回る水準となっている。また、30〜40代の副業・兼業市場では、ITスキルが「手に職」として、収入の差を左右する要因になりつつあるという。
この1年で本業の給与に変化があったかについては、66%が「変わらない」と回答した。一方、「減った」は17%、「増えた」は16%だった。2月に発表された帝国データバンクの調査によると、2025年度は61.9%の企業が賃上げを見込んでいるという。
物価高の影響による収入面の不安については、62%が「不安が増した」と回答。一方で、不安を感じて実際に「行動を起こした人」は30%にとどまった。
行動しない割合を年代別に見ると、最も多かったのは50代(73%)だった。次いで、40代(66%)、30代(60%)となった。年齢が上がるほど動けなくなっている背景には、転職・副業市場が若年層に偏っている構造的な課題がある。
なぜ行動できないのかを尋ねると、「行動しても収入が増えるか分からないから」(40%)が最も多く、「何をすればよいか分からない」(35%)、「時間がない」(29%)が続いた。
政府は「リスキリング支援事業」などの施策を通じて、学び直しに対し最大70%の補助を行っている。しかし、支援制度があっても情報格差が大きいようだ。同社は「何をすればいいのかが見えない」「収入が増えるのかが見えない」という諦めが、行動を止める最大の要因となっている可能性を指摘している。
調査は、20〜60代の働く男女300人を対象にWebアンケートを実施した。調査期間は6月20〜22日。
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