ケルヒャーといえば大型の高圧洗浄機が定番だが、なぜ小型化したのか。同社の調査によると、「高圧洗浄機に興味はあるけど、自宅に置き場所がない」という理由から購入を見送る消費者が少なくないという。
日本の消費者は「置き場所を決めてから物を買う」傾向が強く、その背景には日本の住環境がある。マンション居住や都市部では狭小住宅も多いことから、収納スペースが限られ、大型の清掃機器を保管するのが難しい。また、購入しても「セッティングが面倒で年に数回しか使わない」ユーザーが多いという。
電源や水源の確保も課題となる。ベランダで家庭用高圧洗浄機を使う際、室内の電源につなげるケースが多く、窓を開けたまま作業するため室内に水が入るリスクがある。
これらの課題を解決するため、同社が着手したのが小型化だった。ケルヒャージャパン家庭用プロダクト部の東郷さんは「手軽に使えるようになれば使用頻度も上がる」と小型化の狙いを語る。
2020年に、ケルヒャージャパンは「K MINI」(希望小売価格2万6840円)というモデルを投入した。日本のユーザー目線で開発したコンパクト設計と軽量化で取り扱いが簡単になり、特に女性ユーザーからの支持を集めた。そして、2025年4月にはハンディエアの姉妹品にあたるモバイル洗浄機「ハンディジェット」(同1万4982円)も発売し、販売数は順調に推移しているという。
小型化の手応えを得た同社は、高圧洗浄機を使ったことがない層に向けて、さらにコンパクトさを追求したハンディエアを開発した。
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