小型化したケルヒャー製品を一般発売ではなくMakuakeを活用した理由は、モバイル製品の認知度の低さにあった。ケルヒャーは依然として「大型の洗浄機を扱うブランド」というイメージが強く、従来の販売チャネルでは新規ユーザーの開拓が難しいと判断したためだ。
「新しいもの好きが集まるクラファンが新規ユーザーを獲得するためのアプローチに最適と考えた」と東郷さんは振り返る。
加えて、事前の市場調査も重要だった。「持ち運びできる」という特徴は、従来のケルヒャーブランドのイメージを一新するものであり、社内でも「本当に売れるのか?」という懐疑的な声があった。Makuakeでの結果を本社説得の材料として活用する狙いもあった。
ケルヒャージャパンにとって初のクラファンだったが、購入者からは「初めてケルヒャーを購入した」という声も多く、狙い通り新規ユーザーの獲得につながっている。
また、「リュックから取り出してすぐ使える」動作を訴求した広告が高い反響を示すなど、一般発売時のマーケティング戦略に活用できる知見も得た。東郷さんは「ユーザーと直接対話できる機会を次の製品開発に生かしたい。想定していなかった使用方法の発見も期待している」と今後への意欲を示す。
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