「粉もん」の倒産が増加している。東京商工リサーチの調査によると、2025年1〜7月におけるお好み焼き屋、焼きそば屋、たこ焼き屋の倒産件数は17件(前年同期比30.7%増)に達し、過去15年で最も多かった。
都道府県別で見ると、大阪が6件(構成比35.2%)で最多という結果に。インバウンドや大阪万博で客足は好調だが、店舗数の多さによる競争激化や物価高、人件費上昇などの環境悪化が影響しているようだ。
倒産の原因別では「販売不振」が13件(同76.4%)と最も多かった。東京商工リサーチは「粉もんは庶民の味として親しまれているため、物価高を背景とした値上げが難しい」と指摘する。
倒産の76.4%は、負債1億円未満の小規模店舗が占めている。こうした小規模店舗では、値上げが集客減に直結するため価格転嫁が難しく、経営難に陥りやすい。物価高と人手不足が続く中、粉もんの経営は今後ますます厳しくなることが予想される。
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