「求職者からの応募に含まれる虚偽や誤解を招く内容を十分に見抜ける」と自信を持っている人事担当者は、わずか5人に1人──そんな結果が、米信用調査会社エクイファックスが8月18日に発表したレポートで明らかになった。
実際、人事担当者の71%が、採用プロセスにおいて虚偽もしくは誤解を招く情報に遭遇したことがあると回答している。特に多いのは職務経歴、学歴、資格に関する情報だった。
「当社の調査は、AI生成の履歴書が広がる時代において、人事部門が求職者情報の信頼性を見極めるという新たな課題に直面していることを示している」と、エクイファックス・ワークフォース・ソリューションズのバート・ラウテンバック氏(シニアバイスプレジデント兼タレントソリューションズ部門ゼネラルマネジャー)は述べた。
ラウテンバック氏はさらに「雇用主は、一見すると優秀に見える候補者を見つけたと思っても、徹底したバックグラウンドチェックを行った結果、経歴を大幅に誇張していたと判明するケースがある」と付け加えた。
厳しい雇用市場のなかで、求職者の10%が履歴書で虚偽の記載をしたと回答。その内容は主に在職期間、経験年数、職務内容に関するものだった。虚偽の記載をした求職者のうち、4分の3は実際に内定を得ており、92%はその虚偽が発覚することはなかったという。
エクイファックスが人事担当者と人事リーダー254人を対象に行った調査では、76%が採用やオンボーディングの効率化にAIを活用していると答えた。例えば「バックグラウンドチェックや各種認証手続きに自動化を利用することができる」と同社は指摘している。
また、人事チームは不適切な採用を防ぐために、パターン分析を活用できる。エクイファックスの過去の調査では、過去の勤務期間と今後の勤務期間には強い相関関係があることが示されている。入社から60日以内に退職する候補者は、その後も同じ行動を繰り返す傾向があるという。
さらに、採用マネジャーはAIを積極的に活用することで、自らを守り対策を強化できると専門家はHR Diveに語っている。例えば、スクリーニングプラットフォームや本人確認システム、ディープフェイク検知ツールなどへの導入が挙げられる。ただし、これらのシステムにはバイアスやプライバシー侵害の懸念があるため、「人間による監督が不可欠である」と専門家は強調した。
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