――候補者の「強み」を引き出すために意識していることはありますか?
面接中は、評価や否定をすぐに返さず、まずは相手の話を「受け入れる姿勢」が重要です。仮に「リーダーシップがあります」と言われたら、「そうなんですね」といったん受け止めた上で、「他にもあなたらしいと言われることはありますか?」など、質問を重ねることでより多面的な魅力を引き出せます。
肯定しすぎると、その部分だけを繰り返しアピールしてしまうケースもあります。あくまでも「多面的な強みを見出す」姿勢が大切です。
――面接中、採用候補者の話の内容に“盛り”が入っていると感じた場合、どのように確認しますか?
経験豊富な採用担当者は、「あれ?」という違和感を敏感に察知するものです。その際は、「その時の周囲の反応はどうでしたか?」「もう少し詳しく教えてもらえますか?」と角度を変えて質問を重ねてみます。
また、いったん話題を変えた後、時間を置いてから再度同じ内容に触れてみることも効果的です。数字などを盛っている場合、再回答時に矛盾が出ることがあります。加えて、声のトーンが上がる、早口になる、姿勢が崩れるなどの非言語的な変化も注意深く見ています。
――面接の最後に「やっておくべきこと」があれば教えてください。
逆質問の場面で、候補者が質問を用意していないこともありますが、そこで嫌な顔をしないことが大切です。面接の印象は最後の3分で決まるとも言われます。候補者が気持ちよく面接を終えられるかどうかは、その後の志望度や内定辞退率に直結します。
実際に、内定を複数持っている学生が「雰囲気がよかったから」と企業を選ぶケースは非常に多くあります。だからこそ、面接官側も“最後まで気を抜かない”意識が必要です。
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