このように、ドンキは国内と海外の両輪で店舗数や売り上げを拡大してきたわけですが、その経営の強みは、大きく2つに集約されます。それは、「徹底した現場主義」と「海外展開を通じて築いたブランド力」です。
多くのチェーン店では、スケールメリットを生かして全国一律のオペレーションを本部主導で行います。しかしドンキはその真逆の戦略を採用。一般的なチェーンストア理論とは一線を画す、「徹底した現場主義」を貫き、「本社は支援に徹する」という独自の経営スタイルを採用しています。
特徴的なのは、各店舗の店長が収支や利益に責任を持っている点です。店長は、商圏ごとに柔軟に商品構成や価格設定を変更できる裁量を持ち、まさに“経営者”として結果を出すことが求められています。
通常のチェーン店では実現が難しい、店舗ごとに異なる商品を並べるオペレーションも、ドンキでは当たり前のように行われています。徹底した現場主義の下、複雑な管理を乗り越え、地域にとって最適な店舗を作り上げているのです。
その仕組みを支えるのが、本部によるデータ分析ツールの導入支援や柔軟な物流体制です。店長は地域の需要や競合の売り方を自ら分析し、それに合わせた商品構成を決定できます。
オリジナルブランド「情熱価格」の商品開発も、現場の声をもとにスピーディーに行われており、商品ラインの隙間を埋めることで売り上げ・利益率の向上に貢献しています。ディスカウントストアでありながら、こうした独自商品の展開ときめ細やかな物流を両立できている点も、他社にはない大きな武器といえます。
もう1つの強みは、海外展開を通じて築いたブランド力です。前述のように、ドンキは海外での店舗展開によって多くのファンを獲得し、そのファンたちが来日した際に日本のドンキを訪れるようになっています。
これにより、「海外の人が行くから気になる」と感じる日本人が増え、国内の顧客獲得にも成功しているのです。
国内と海外での店舗展開による相乗効果が、ドンキの持続的な成長を支えているのです。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
「任天堂VS.株主」見ている未来は違う? 「スイッチ2」に市場が冷めた理由
「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
なぜ「金の卵」を守れなかったのか 東芝と日立、明暗を分けた企業統治のあり方
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング