「任天堂VS.株主」見ている未来は違う? 「スイッチ2」に市場が冷めた理由(1/7 ページ)

» 2025年02月21日 08時00分 公開
[草刈貴弘ITmedia]

著者プロフィール:

カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長/ポートフォリオ・マネージャー

草刈 貴弘

 大学卒業後、舞台役者などを経て2007年にSBIリアルマーケティングに入社。2008年にさわかみ投信に転じ、顧客対応部門、バックオフィスの責任者、アナリスト、ファンドマネージャーを経験し、2013年に最高投資責任者、運用調査部長、2015年取締役最高投資責任者に就任。2023年3月に現職のカタリスト投資顧問に入社し、同年6月に取締役共同社長に就任。

 投資先企業の企業価値向上に直接寄与することで、日本企業の成長と資本市場の活性化と、個人投資家の財産づくりを両立することを志向する。ファンダメンタル分析を基にしたバリュー投資を軸に、持続的成長の転換点を探るのをモットーとする。現在、朝日インテック社外取締役。東洋大学理工学部卒。


 2025年1月、任天堂は次世代ゲーム機「Nintendo Switch 2」(以下、スイッチ2)の発売を明らかにしました。たった2分ほどのイメージ動画だったこともあり、「どこが進化したの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。実際、市場の期待を上回れなかったためか、株価は発表直後に急落し、その後3日連続で下落しました。

 しかし、現在は持ち直し、株価は過去最高水準に達しています。任天堂の新機種発表時に株価が下がることはこれまでにもありましたが、その後の回復ぶりを見ると、投資家はスイッチ2そのものよりも、“別の要素”に期待している可能性があります。

任天堂の成長を支える要素は?(出典:ゲッティイメージズ)

 果たして、今後の任天堂の成長を支える要素はどこにあるのでしょうか。

 本記事では、過去のゲーム機の売り上げの推移を振り返るとともに、なぜ今回のスイッチ2が期待外れだと見なされたのかを分析します。その上で、投資家が任天堂の何に期待し、その期待を上回るためには何が必要なのかを考察します。

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