ファミリーマートは8月19日から、全国の店舗で中華まんの販売を始めた。定番商品のリニューアルに加え、韓国料理を中華まんにアレンジした「旨辛チーズタッカルビまん」を新発売した。中華まんは冬のイメージが強いが、同社では例年お盆明けの時期から販売している。夏の暑さが厳しくなる中、なぜ8月から売り始めるのだろうか?
ファミリーマート商品本部の担当者によると、「お盆を過ぎると徐々に秋の気配を感じる人が増える。中華まんは秋冬のイメージが強い商品なので、季節感を感じてもらうためにもこの時期に販売している」という。近年は夏の暑さの厳しさが増しているが、「例年の夏の実績は同じくらいで、暑さで売り上げが急激に落ちることはない」と説明する。
ファミリーマートが7月に実施した調査によると、暑い日に中華まんを購入する理由で最も多かったのは「小腹がすいた時のおやつ」(59%)だった。「素早く食べられ、朝ごはんに」(25%)や「忙しくても片手で食べられ、お昼ごはんに」(24%)といった“時短需要”も目立った。
夏ならではの理由では、「冷房で体が冷えていて、温かいものが欲しくなったから」(13%)などの“温活需要”や、「夏バテ気味でも食べやすいと思ったから」(7%)、「暑い中で熱いものを食べるのが、逆に気持ちいいから」(6%)といった意見もあった。
属性別に見ると、会社員は「冷房で体が冷えていて、温かいものが欲しくなったから」と答えた割合が14%と、学生(9%)より高かった。オフィスエリアの店舗では、中華まんの売り上げが通常店舗の1.5倍程度に伸びているという。昼休みの時間帯にファミチキやコーヒーなどと一緒に購入されることが多いそうだ。
学生は「暑い中で熱いものを食べるのが逆に気持ちいい」(9%)と回答した割合が他の層より高かった。担当者は「真夏に熱いラーメンを食べる感覚なのだろう」と話した。
夏と冬で人気の商品にも違いがある。夏は辛口のものや、後味がさっぱりしているメニューが好まれ、新発売の「旨辛チーズタッカルビまん」は直近同時期に発売した商品と比較して、130%以上の売れ行きだという。冬は「ビストロまん クリーミーグラタン」や「とろける濃厚フォンダンショコラまん」(前年冬に販売)といった、クリーミーさや甘さのある商品が人気だそうだ。
担当者は「お客さまの嗜好(しこう)に合わせて新商品を出していきたい。今回の調査でオフィスの温活需要なども確認できたので、そうした声を踏まえて販売していく」と話した。
調査は7月4〜5日、2024年8月〜9月 にファミリーマートで中華まん類を購入した1003人を対象に、インターネットで実施した。
夏でも売れる中華まん ファミマが「黒豚×カレー」で“200円超え”需要狙う
セブンがぶち上げた「1000店舗増」計画は実現するのか “勝算”の背景を探るCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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