この記事は、『生成AI最速仕事術』(たてばやし淳著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
プレゼン資料を作るのは得意でも、人前でのスピーチは苦手……。そんな悩みは、生成AIにスピーチ台本を作らせれば解決できるかもしれません。
プレゼンの内容は準備できたけど、どう話せば聞き手に響くのか分からない。資料は作ったものの、説明の仕方に自信が持てない……。そんなときは、ChatGPTにプレゼンの台本を作ってもらうとよいでしょう。説得力のある話し方やポイントとなる強調表現まで、魅力的なプレゼンのための台本を作成してくれます。
以下は、プレゼン台本作成をChatGPTに依頼するときにそのまま使えるプロンプト(要望や条件をAIに伝えるための指示文)のテンプレートです。「固定部分」はそのまま使い回し、「可変部分」をその都度書き替えて使えば便利です。
【プロンプトの型:プレゼン台本の作成】
# 条件(固定部分)
# プレゼン資料(可変部分)
{{ ここにパワーポイントの要旨、強調したい数値データ、エピソードなどを貼り付ける。またはPowerPointファイルをアップロードし、ChatGPTが認識できる場合はその旨を補足}}
可変部分ではスライドの構成情報や聴衆の属性、発表時間などを十分に書き込むのがコツです。例えば、以下のように明確な指示を段階的に出すことで、ChatGPTがより的確なアウトラインを提案しやすくなります。
「まず全体の章立て(アウトライン)を考えてください」
「それをもとに、各スライドに合ったセリフやフレーズを詳しく書いてください」
「最終的な文体をフォーマル→カジュアルに変えてほしい」
例えば、以下のようなプレゼン資料をアップロードしたとします。
すると、このような回答が返ってきます。
【回答例】
以下に、プレゼン資料「第3四半期_ マーケティング活動報告.pptx」に基づいたビジネス向けのプレゼン台本をスライドごとに作成しました。話す順序、強調ポイント、説得力を高めるフレーズも含めて構成しています。
――――――――――――――――――――――――――――――
スライド1:第3四半期マーケティング活動概要
台本:
本日は、2024年第3四半期のマーケティング活動についてご報告します。対象期間は7月から9月までの3カ月間です。主な取り組みは、SNSキャンペーン、新製品のプロモーション、そして顧客満足度調査の3つです。
特に注目すべきは、KPI達成率と予算執行率がいずれも高水準を維持している点です。効率的かつ成果につながる施策を展開できたと言えます。
強調ポイント:
――――――――――――――――――――――――――――――
スライド2:主な施策① SNSキャンペーン
台本:
1つ目の施策は「夏の思い出シェア」キャンペーンです。期間は7月15日から8月31日まで実施しました。
このキャンペーンでは、参加ユーザーからの投稿が2845件に達し、新規フォロワーは1250人増加しました。
特に注目すべき成果は、エンゲージメント率が前四半期に比べて12.8%向上したことです。SNS上でのブランド認知やファンとの関係性構築において、大きな成果が得られました。
グラフ解説(想定):
エンゲージメント率の変化を示したグラフがあれば、「開始前と終了時の比較で12.8%の上昇」が視覚的に分かるように説明します。
強調ポイント:
――――――――――――――――――――――――――――――
スライド3:主な施策② 新製品プロモーション・調査
台本:
2つ目の施策は、環境配慮型の新製品プロモーションです。8月1日から9月30日までの期間で展開しました。
ウェビナーには583人が参加し、製品への関心の高さがうかがえます。売り上げ面でも好調で、前年比22.5%増を記録しました。
さらに顧客満足度調査の結果はスコア4.2/5.0で、前回から0.2ポイント向上しています。製品品質とマーケティング施策の相乗効果が現れた結果と考えています。
補足説明:
ウェビナーとは、Webセミナーの略で、製品情報をオンラインで効率的に発信できる手法です。近年、B2B・B2C問わず有効な手段として注目されています。
強調ポイント:
(以下、スライド4&5は紙幅の関係で省略)
台本はもちろんですが、グラフ解説の提案や、補足情報なども指示通りに盛り込まれている点に注目です。
Geminiを業務で使いこなす! Google Cloudが指南する「プロンプト入力」4つのポイントは?
「プログラミング言語」は今後不要になるのか ソフトウェア開発者の業務、半分はAIで自動化可能に
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体
DXの“押し付け”がハラスメントに!? クレディセゾンのデジタル人材育成を成功に導いた「三層構造」とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング