昨今、会社に対する不満から、退職時に会社への報復的な行動を伴って退職する「リベンジ退職」が注目されている。そのような中、約1割が「リベンジ退職」に遭遇した経験があることが、企業の風土改革支援を手掛けるスコラ・コンサルト(東京都品川区)の調査で明らかになった。「リベンジ退職」の実態とは――。
同社は、全国の一般社員・管理職2106人を対象に、転職や働くことに関する意識についてアンケートを実施した。
上司・同僚・部下が退職した際に困ったこと・嫌だったことについて、最も多かったのは「退職した人が担当していた仕事を分担することになり、自分や職場のメンバーが忙しくて大変だった」となり、29.0%。「自分のモチベーションが下がった」(22.6%)、「自分も会社を辞めたくなった」(20.5%)と続いた。
また、「職場への報復的な行動を伴って退職した」「退職前に、その人が担当していた業務のデータが消されていた」「退職前に不満や悪口を職場の一斉メールやチャットで送られた」といった、「リベンジ退職」に遭遇した経験がある人は11.8%と1割を超えた。
――といった回答が寄せられた。
「働く会社を選ぶ際に重視すること」と「今の会社で満足していること」を尋ねたところ、どちらも上位3要素は「給与・賞与・福利厚生」「残業の少なさ・休みのとりやすさ」「人間関係」が並ぶ結果となった。
また、それぞれの関係を分析した結果、上位3要素のうち「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」は近似線より上にある一方で、「給与・賞与・福利厚生」「上司・同僚・部下の人間関係」は近似線の下に位置していることが明らかに。これら2つの要素は、満足度を高める余地がまだ残されていると考えられる。
全体の22.1%が「1年未満に転職したい」「1年〜3年未満に転職したい」と回答した。「10年以上先」という回答まで含めると、転職を考えている人は50.2%に上った。一方で、「転職はまったく考えていない」とした人は49.8%と二分する結果に。また、若い年代ほど転職意向が高く、20〜40代までは男性よりも女性の方が転職意向が高い傾向となった。
「今の会社で満足していること」を転職意向別に分析した。その結果、「残業や休日出勤が少ない、代休・有休休暇など休みがとりやすい」「上司・同僚・部下の人間関係」「自由度や裁量があり、自分らしく働ける」の3つの項目は、長く務めたいと考えている人ほど「満足している」割合が高かった。
また、「給与・賞与・福利厚生」「仕事内容が希望や興味に合う」の2つの項目については、「転職はまったく考えていない」人において「満足している」割合が高かった。
転職の「総合的な評価」について、「今の方が良い」「どちらかといえば今の方が良い」とした人は合わせて61.8%に上り、半数以上が転職に満足していることが明らかになった。
また、転職のタイプ別に分析したところ、転職の満足度が最も高い人は「ブラック逃避型転職」となり、81.2%が「満足している」とした。「組織に失望型転職」(75.6%)、「環境(価値観・風土・働き方)不適応型転職」(74.6%)と続いた。
調査は5月23〜26日にインターネットで実施した。
なぜ働く気力が消えるのか? 社員・管理職2000人に聞いた「静かな退職」の実情Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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