東京商工リサーチが実施した2024年度の「タクシー業者」動向調査によると、全国の主要タクシー会社680社の業績は、売上高が前期比10.6%増の3589億5400万円、利益は同11.1%増の83億3700万円となり、増収増益であった。コロナ禍で大きな打撃を受けたが、インバウンドや国内旅行、ビジネス利用の回復により持ち直した。一方で「増収増益の大手」と「減収減益の中小事業者」との二極化が鮮明となっている。
資本金1億円以上の12社を除くと、利益は2022年度が472億600万円、2023年度が548億400万円と増加したが、2024年度は268億600万円に半減し、中小企業の収益力の弱さが浮き彫りとなった。
売上高は「増収」が387社(構成比56.9%)で、前年度の506社(同74.4%)から大幅に減少。「減収」は201社(同29.5%)と、前年度の86社(同12.6%)から増加した。
利益が「黒字」だったのは473社(構成比69.5%)で、前期の504社(同74.1%)から減少。「赤字」は207社(同30.4%)に増加した。運賃値上げの効果はあったが、燃料費や人件費の上昇、キャッシュレス決済普及に伴う手数料負担が収益を圧迫し、業績は明暗を分けている。
倒産は、コロナ関連支援の効果で2022年が27件、2023年も21件と低水準にとどまったが、2024年は34件に急増。2025年も1〜8月ですでに23件に達し、前年を超える勢いとなっている。
大手は配車アプリの強化やEV・次世代車両の導入、法人契約拡大などで変革投資を加速させる一方、過小資本の中小事業者はコスト増やドライバー不足に直面し、収益悪化が深刻化している。
東京商工リサーチは「今後は運賃改定や需要回復の効果が一巡し、収益力の弱い企業の淘汰が一段と進む可能性が高い」と指摘。「日本版ライドシェア解禁など外部環境の変化も重なり、業界は大手の寡占化と中小の淘汰が進む転換期を迎えている」とした。
本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の業績が判明したタクシー業を主業とする680社を対象に分析した。
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