――関東には「資さん」のことを「しさん」と呼ぶ人がまだまだ多いように感じますが、それでもお店に行列ができる。その背景に、「クチコミの力が大きかった」と分析されていますが、クチコミを拡散させるために何か手を打ってきたのでしょうか。
崎田: 他のブランドで新しいお店を出店する場合、チラシを配るんですよね。しかし、資さんうどんの場合、配りませんでした。繰り返しになりますが、クチコミによる影響が大きいので、会社として「チラシを配る必要はない」と判断しました。
ただ、他のブランドと同じように、事前にSNSで告知をしました。また、店の近所に看板も掲げました。「〇月〇日にオープン」などと書かれた看板を掲げると、街でうわさがあっという間に広がりました。なぜクチコミでそれほどの盛り上がりを見せるのか。個人的には、「日常食であることが大きい」と思っています。
物価高などの影響で、外食の単価が上がり続けています。すかいらーくのブランドでいえば、ガストも客単価の平均が1000円を超えました。そうした状況の中で、資さんうどんは800〜900円ほど。家族4人で訪れても、4000円以内で収まります。
また、基本は24時間営業なので、朝・昼・晩・深夜に食べられる。特別な資さんではなく、“日常の資さん”といった存在なので、「ちょっと行ってみない?」といった具合に、同僚や友人を誘いやすいのではないでしょうか。
――北九州と関東のうどんの味に、違いはあるのでしょうか。水質が違うので、同じ味にするのは難しいのでは?
崎田: ご指摘のとおり、水質の違いによって、うどんの味は変わってきます。北九州と関東の水質は違いますが、九州の中でも違いはあるんですよね。そうした状況の中で、これまで北九州で生まれたうどんの味を守ってきました。
関東でも同じ味を守り続けるために、さまざまな検証を繰り返してきました。いろいろな工夫を重ねて、「これならやっていける」という結論に至りました。ただ、今後、新しいエリアに出店した際、水質が違いすぎて、改良を加える必要が生じるかもしれません。
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