「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
「北九州のソウルフード」と呼ばれる、うどんチェーン「資さんうどん」(運営:資さん)が関東で勢いを増している。資さんうどんは1976年、福岡県北九州市で創業。特徴は、うどんだけでなく、丼もの、カレー、ぼた餅など、メニュー数は100品を超え、客単価は800〜900円ほど。北九州の人にとっては「日常のインフラ」として根付いているチェーンだ。
2024年10月にすかいらーくホールディングス(HD)の子会社になって、9月5日時点で全国に84店舗(うち関東8店舗)を展開している。2024年12月に千葉県八千代市に出店し、数時間待ちの行列ができるなど、話題を呼んだ。地元に愛されてきた“ご当地チェーン”が、なぜ関東の人にもウケているのか。その背景について、資さんの崎田晴義会長に話を聞いた。
――2024年12月、関東1号店が千葉の八千代市にオープンしました。連日のように行列ができたわけですが、翌月の数字を見ると、平均日商は200万円を超え、1日当たりの客数は2000人以上を記録しました。
その後、東京の両国に2号店を出店し、オープン初日には長蛇の列ができました。関東での認知度はまだまだ低いと思うのですが、なぜ多くの人が詰めかけたのでしょうか。
崎田: すかいらーくで新しいブランドを立ち上げる際、認知度を上げるのはものすごく時間がかかるんですよね。「〇月〇日にオープンします」と告知しても、お客さまからすれば「どういったお店なのか」「どういった料理が出てくるのか」「どういったサービスを提供するのか」がよく分かりません。
新しいお店に足を運ばれて「おいしい。また来たい」と感じていただければ、次につながる。ただ、別の街で出店すると、またゼロからのスタートになる。このようにブランドの認知度を上げるには、時間がものすごくかかるんですよね。
ですが、資さんうどんの場合、関東や関西といった初出店のエリアでも多くの人に来ていただいている。なぜか。資さんうどんは来年50周年を迎えることもあって、既に食べたことがある人が多いんですよね。
北九州で生まれ育った、学生時代に暮らしていた、あるいは転勤で住んでいた――。そうした人が「千葉の八千代市に出店する」と聞いたとき、どのような行動をとったのか。同僚や友人に「一緒に食べにいこうよ」といった会話が交わされ、クチコミがどんどん広がっていったのではないでしょうか。
新店がオープンする際、私は必ず立ち会うようにしているのですが、関東のどの店に行っても、お客さまからこのようなことを言われました。「子どものころに食べていました」「今日は友だちを連れてきました」と。
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