人材育成事業を手掛けるALL DIFFERENT(東京都千代田区)は、全国の管理職531人を対象に「管理職意識調査」を実施した。その結果、95%が「管理職になって良かった」と回答し、多くの管理職がやりがいを感じていることが分かった。
管理職になって良かったと感じる理由として、全体では「意思決定に関与できるようになった」(51.5%)が最も多かった。以下「仕事の裁量が増えた」(48.2%)、「収入が増えた」(46.8%)と続き、報酬面よりも権限や役割の拡大をやりがいと捉える傾向があることが分かった。
また、「部下の成長や成功を喜べるようになった」(42.0%)、「経営視点が養われた」(41.2%)といった回答も目立ち、視座の高まりやチームメンバーの成長を見守る点でもやりがいを感じていることがうかがえる。
男女別で見ると、男性は「意思決定に関与できるようになった」(53.2%)が最も多く、以下「仕事の裁量が増えた」(49.5%)、「収入が増えた」(45.1%)と続いた。女性は「収入が増えた」(55.9%)、「意思決定に関与できるようになった」(44.1%)、「仕事の裁量が増えた」「部下の成長や成功を喜べるようになった」(いずれも42.4%)といった声が上位を占めた。
特に「新しい挑戦の機会を得られた」と答えた割合は女性が39.0%と、男性の26.3%を大きく上回った。また、「収入が増えた」と回答した割合も女性の方が10ポイント以上高い結果となった。
キャリアステージによる違いも見られた。課長1〜3年目の新任管理職の場合、「収入が増えた」(50.7%)が最も多く、以下「意思決定に関与できるようになった」(44.9%)、「仕事の裁量が増えた」(42.6%)が続いた。
課長4年以上のベテラン管理職は「意思決定に関与できるようになった」が52.0%で過半数という結果に。その他「仕事の裁量が増えた」(45.5%)、「収入が増えた」(44.7%)といった声が寄せられた。
部長クラスにあたる幹部候補では、「意思決定に関与できるようになった」が60.2%と最も多かった。その他「仕事の裁量が増えた」(59.2%)、「経営視点が養われた」「部下の成長や成功を喜べるようになった」(いずれも56.1%)も上位を占めた。経験を重ねるにつれて、やりがいの源泉が収入面から権限や視座の広がりへとシフトしていく様子がうかがえる。
業務の比重による違いも明らかとなった。プレーヤー業務の割合が高い管理職では「収入が増えた」が46.3%で最も多く、以下「意思決定に関与できるようになった」(45.7%)、「仕事の裁量が増えた」(42.9%)が続いた。
一方、マネジメント業務の割合が高い管理職では、「仕事の裁量が増えた」が63.8%でトップとなり、「意思決定に関与できるようになった」(57.4%)、「部下の成長や成功を喜べるようになった」「経営視点が養われた」(いずれも54.3%)と続いた。
プレーヤー業務とマネジメント業務の割合が半々程度である中間タイプの管理職では、「意思決定に関与できるようになった」が56.8%と最も高く、「収入が増えた」(46.6%)、「チームを先導できるようになった」(45.5%)が続いた。
調査は5月20日〜7月17日、ALL DIFFERENTの提供する管理職向け研修の受講者531人を対象に、インターネットで実施した。
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