長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
JR浜松町駅に直結し、旧東芝本社ビルやその隣接地で再開発が行われて誕生した「ブルーフロント芝浦(BLUE FRONT SHIBAURA)」。高さ約230メートルのツインタワー計画のうち、南側の1棟「TOWER S」が先行して完成し、9月1日に商業施設がオープンした。もう1棟の「TOWER N」は2030年度に完成する予定だ。
事業者は、野村不動産とJR東日本。面積は東京ドームとほぼ同規模で、野村不動産ホールディングスをはじめとする野村不動産グループの本社も移転してきた。
ブルーフロント芝浦は、地下に駐車場、低層階に商業施設、中層階にオフィス、高層階にホテルと住宅を備えた複合施設である。コンセプトは「水辺ならではのライフスタイルを創造し、これを広め、東京のベイエリアをつないでいく」こと。すなわち、都心とベイエリアを結ぶ新たな街づくりを目指している。
今回完成したTOWER Sは、地上43階・地下3階建ての高層ビル。野村不動産は飲食特化型の商業ビルブランド「GEMS」を展開しており、飲食・グルメ関連の店舗が充実している点が大きな特徴となっている。1階と2階には、それぞれ異なるコンセプトを持つフードコートがあり、ファミリーマートによる初の「コンビニエンスウェア」専門店も出店し、注目を集めている。
高層階には、日本初進出となる仏ホテルグループで、7月1日に開業したラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が入居。オフィスもすでに9割の入居が決定しており、都心の高層ビル市場で競争が激化する中、順調なスタートを切った形だ。
さまざまな特徴を持つブルーフロント芝浦。本稿では周辺の再開発の状況も含め、その魅力や背景にある戦略を紹介したい。
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