――ところで、面接官が陥りがちなミスや思考の癖はありますか?
はい。特に気を付けたいのは、心理的なバイアスです。
代表的な例として、特定の大学出身というだけで優秀だと判断してしまう「ハロー効果」。また、一度「この人は良い」と思い込むと、それを裏付ける情報ばかりを探してしまう「確証バイアス」もそうでしょう。他に、同郷だったり趣味が同じだったりすると、親近感から評価が甘くなる「親近感バイアス」なども挙げられます。
また、バイアスではありませんが人は視覚から得る情報が非常に大きいことも頭に入れておきたいですね。コミュニケーションにおいて視覚情報が55%も影響を与えると提唱した、米・心理学者メラビアンの「メラビアンの法則」はよく知られています。逆に、良い印象を与えるために、面接をする側、される側のどちらも、清潔感を意識した服装を心がけられると良いでしょう。
――バイアスなどに惑わされないための、具体的な対策を教えてください
人間にはバイアスが働くことを自覚し、「本当にそうだろうか?」と常に客観的な視点を持つことです。また、面接を複数人で行ったり、面接の様子を録画して第三者の意見を取り入れたりすることも有効です。オンライン面接などでの動画撮影は、その場では気付かなかった候補者の表情や、自分自身の質問の仕方を後から冷静に振り返ることもできるのでおすすめです。
キャリア採用ならば、レジュメなどの情報から、その人が過去に所属していた企業についてリサーチするのもいいですね。無料のAIアシスタントPerplexityは事業内容や口コミ情報を確認するときに便利です。こちらは、Web上の膨大な情報をAI技術で収集・要約し、信頼性の高い情報源とともに回答を提示する対話型AI検索エンジンなので、役立つのではないでしょうか。
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