ロジカルに話した後、相手に踏み出してもらうためのもう一歩をどう作っていけばいいでしょうか。
それは、「頭の中に生まれたイメージ」です。
先ほどのマンションの例で言えば、
こうしたイメージが頭の中に生まれてきて、「ああ、このマンション、買いたいな」と思っていきます。
では、このイメージは、どのように聞き手に生まれてくるのか。まずは、ちゃんとロジカルに事実を認識してもらう必要があります。
聞き手が、「つまり、駅からマンションへの道のりはこんな感じか」「近所にジムや公園があるんだ」「部屋はこんな間取りか」「防音がしっかりしているな」ということを認識したうえで、そこに自分を当てはめて考えるようになるかどうかです。
そこができれば、もう後は、聞き手の頭の中でどんどん想像が膨らんでいきます。伝える側は、その想像が広がるのをサポートすればいいのです。
では、どうしたら自分に当てはめて考えてもらえるか。それには、2つのアプローチがあります。
1つ目は、当たり前ですが、具体的にイメージしてもらうために「ビジュアルを見せる」ということです。写真や絵、動画など、使えるものはどんどん使いましょう。ただし、関係ない写真や絵を入れてしまうと、逆にノイズになって理解を妨げるのでやめましょう。
もう1つ、ビジュアルで説明できるものがない場合は、言葉で、聞き手にイメージを湧かせる必要があります。その時使えるのが「例えば」という言葉です。
マンガのキヨシくんの例で考えてみましょう。
「私は、自分が勤めている会社が大好きです。理由は3つあります。1点目は、社食がおいしいから、2点めは仕事が楽しいから、3点めはチャレンジをさせてくれるからです」
これだけで、理解はできます。聞いている人が、「話し手は、こういうことを言いたいんだな」という枠組みを作ることができるからです。
ただ、これではイメージは湧きません。ですから、聞き手にイメージを湧かせるために「例えば、〜です」と言って補足するのです。
具体例を挙げると、次のような感じです。
「1点目は、社食がおいしいからです。例えば、カツカレーはその場で揚げたてのカツの上に30種のスパイスを混ぜた特製のカレーがたっぷりかけられますし、親子丼は比内地鶏を使ったジューシーな鶏肉と、ふわっとした卵が熱々のご飯の上にのっていて、何杯食べても飽きません」
などと言われると、「確かにそれだけのこだわりのある社食なら、毎日会社に行きたくなるのも分かる」と理解してもらえそうです。
「話し方」本としてロングセラーとなった『1分で話せ』を、マンガに!
マンガに目に通すだけでも、簡潔に話すポイントが身につきます。「話が長い」「何言っているのか分からない」と言われたことがある方から、これからビジネスパーソンになる方まで、気軽に手に取れる内容です。
会社員の経験もある清水さんならではの分かりやすい内容。読んで面白く、ねこのイラストに癒されるだけでなく、主人公のキヨシと、猫一先生のやりとりを見ているだけで、上手に話すポイントがつかめます。
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