どのようなリーダーにメンバーは付いていきたいと思うのか。今回「リーダー論」をテーマにエグゼクティブ・コーチとして独自の手法でリーダー育成に取り組む、ナンバーツー代表の林健太郎さんに話を聞いた。林さんの著書には『リーダーの否定しない習慣』(フォレスト出版)がある。
――「理想のリーダー像」とはどんな人物だと思いますか?
自分1人で成果を挙げるのではなく、チーム全員の力で成果を生み出し、成功を皆で喜べる人だと思います。リーダーには当然成果を出すことが求められますが、目標を達成したときに「やったね!」と皆で喜び合える状態をつくるのが理想です。逆に、達成してもチームが冷ややかに受け止めるようでは不十分です。
「リーダーシップ」を定義するなら、チーム全員で成功できること。これに尽きると思います。
――リーダーに必要な資質・スキルは何だと思いますか?
プレゼン力、想像力、伝わり方のデザイン、影響力の4つが必要だと思います。
――「プレゼン力」とは、どのようなスキルでしょうか?
今の時代は「必要だから」「とにかくやって」といった一方的な指示では人は動きません。仕事の意義を丁寧に伝え、共感してもらう力が必要です。
よく「桃太郎」の話を例にします。桃太郎は鬼退治に行く際、「きび団子をあげるから家来になれ」と仲間を募りますが、これは現代では通用しません。今は「鬼退治にはこうした意義があり、皆にはこんなメリットがある」と熱く語り、共感を得る必要があります。
つまり、リーダーには「なぜそれをやるのか」をストーリーとして語る力が求められます。そして「それって面白いんですか?」「社会的に意義があるんですか?」と質問されるくらいのプレゼン力こそ、現代のリーダーに必要なスキルだと思います。
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