冒頭で、世界のスマートリング市場規模は2024年に約500億円と紹介したが、ソクサイの試算では「もっと大きい」という。
「当社では、世界市場で約80%のシェアを持つ『オーラリング』の数字を指標としています。オーラ社は2024年の年間収益が5億ドルを超えたと発表しており、ここから逆算すると市場規模は1000億円弱です。2025年は年間10億ドルの売り上げを達成する見込みで、市場規模は約1800億円に倍増すると考えられます」(光頼社長)
市場拡大の背景には、参入企業の増加に伴う「多機能化」やスマートリングの「認知拡大」があるという。機能面では、健康管理にとどまらず、NFC搭載による非接触決済やスマートキー、音声アシスタントなど利便性が大きく向上している。健康管理に特化した製品と、決済やアクセスに特化した製品で、市場は二極化しつつある。
調査会社IDCによると、圧倒的首位のオーラリングに続くのが、2019年にインドで創業した「Ultrahuman(ウルトラヒューマン)」で、世界シェアは約12%に達するという(2023年)。同製品も健康管理に特化しており、2024年10月から「Ultrahuman Ring AIR(ウルトラヒューマン リング エア)」を日本で販売している。
直近の動きでは、オーラがウルトラヒューマンや香港に本社を構えるRingConn(リンコン)と争っていた特許侵害訴訟で勝訴したことが業界で話題に。米国際貿易委員会(ITC)は、ウルトラヒューマンとリンコンに対し、米国におけるスマートリングの輸入・販売を禁止する排除命令を下した。これにより、2社の製品は10月22日以降、米国で販売中止となった。結果、オーラの優位性が高まると予想される。
「ウルトラヒューマンは、数年で急激にシェアを伸ばしています。同社やGalaxy Ring(ギャラクシーリング)を販売しているサムスンなどは、コストをかけてプロモーションをしている印象で、それに後押しされてオーラも投資額を増やしていますね。競争が激化した結果、世間でのスマートリングの認知度が大きく向上したと思います」
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