では、その上司と部下の「距離感」は、どのような目安や意識で構築していけば良いのでしょうか。その距離感の塩梅が難しいのは、人間は不確実性の高い生き物だからです。昨日言っていたことと今日言っていることが違う人もいますし、口で言っていることと本心が正反対の人もいるからです。
それがましてや「上司と部下」という「対等でない」組み合わせでしたらなおさらです。上司が部下の「本心」を読み取り、しかも読み取っても常にその本心も変化し続けますから、「部下の本心を読み取り続ける」粘り強い作業が上司には発生します。
そのため、最終的には、逆に極端なコミュニケーションに行きつくケースも多く、特に仕事で成果を出しているいわゆる「デキる上司」の場合、仕事のように「白黒はっきりつけたい」「どれがベストコミュニケーションなのかをはっきりさせたい」「明確な答えを知りたい」という気質の方も多いため、本来は不確実性が高く、流動的であるはずの上司と部下との距離感を固定したがります。
固定の極端な例として、部下に全てを任せて自分は一切口を出さない「放任」、反対に部下の行動全てに口出しして管理をする「過干渉」というマネジメントスタイルになるケースも多く見られます。特にこの二つの環境が部下のメンタルを追い込んでしまう土壌を形成していました。
「放任」は、デキる上司とデキる部下の「デキる者同士」の場合、一見良いように見えますが、部下は「デキる」といってもデキる上司ほどまだ万能ではありません。例えば日頃弱みを見せないデキる部下が珍しく上司に助けを求めてきても、「君なら乗り越えられる」「気合と根性でなんとかなるよ」と、具体的な解決法を提示せず「良かれと思って」あえて突き放してしまうことをしてしまいます。
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