ゲオと同様、家庭用ゲーム機やDVDも衰退期にあるが、ブックオフの業績は好調である。本やソフトメディア以外の商材が伸びたからだ。各年ともトレーディングカード・ホビー、アパレルなどの売り上げが好調だった。
国内店舗における書籍販売の構成比が減少する中、これまでひとケタ台だったトレーディングカード・ホビーの構成比が2025年5月期には21.1%まで拡大した。都内にある秋葉原や中野のホビー店のように、アニメキャラクターのフィギュアが充実した店舗もある。
ポケモンカードの転売や高額取引が話題となっているように、トレカの市場規模は拡大し続けている。2010年代まで1000億円前後を推移していたが、2020年以降に急成長し、2024年度は3000億円を突破した。ブックオフではトレカ人気に合わせてコーナーを拡大し、店内の一部はまるでカードショップのような構成になっている。
本やソフトメディアなどの商材は市場規模が縮小しているが、中古市場全体は拡大が続く。リユース経済新聞によると、市場規模は2000年代を通じて拡大し、15年連続の拡大となった2024年は3.2兆円。2030年には4兆円に達する見込みだ。鶏と卵の関係といえるが、市場規模拡大は買取販売店の増加によって、消費者の中古品に対する抵抗感が薄れたことが背景にある。メルカリなど自ら売買できるプラットフォームの登場も、中古品に触れる機会を増やした。
賃金の上昇以上に可処分所得が減っていることも関係している。税金ばかりが話題となるため目立たないが、健康保険料や厚生年金保険料など社会保険料の増額は、消費者の手取りを減らし続けてきた。一般的な会社員の場合、社会保険料が所得税をはるかに上回る。インフレで物価が上昇し、新品に手が届きにくくなっている中で、自動車や都内の住宅と同様、衣類や娯楽品でも中古品へのシフトが進んだ。
リユース市場全体が拡大するなか、ゲオHDとブックオフグループHDは商材を切り替えて成長できた。人気商品のトレンドは変わる可能性があるが、今後も両社は商材を変えて乗り越えるのかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
不気味な笑い声を出さないこと―― ブックオフ、「立ち読み」解禁と同時に7つのマナー呼びかけ
なぜゲオは“売れ残り”に目をつけた? 「ラックラック」の在庫を武器にした稼ぎ方Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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