3年連続で増えていた「すし店」の倒産ペースが鈍化している。東京商工リサーチによると、10月までの倒産件数は17件で、2024年同時期(24件)と比べると減少した。コメ価格などコスト上昇が続く中、外国人観光客が押し寄せ、売上増で経費の増加分をカバーしているようだ。
すし業界は、低価格の大手回転寿司チェーンが出店を加速し、競争が激化。一方で、町のすし店は職人不足や価格競争に巻き込まれ、2022年から倒産が増えていた。
2025年も運営コストの上昇が続いているが、訪日外国人が9月までに過去最速で累計3000万人を超えるなど、インバウンド需要が拡大している。「特に、『すし店』は、外国人客に人気で、にぎわっている店舗も多く見かけるようになった。都内の『すし店』は、訪日客を事前予約制として、仕入れロスが出ないように調整することが業績好調につながっている」(東京商工リサーチ)という。
総務省によると、2人以上の世帯のすし(外食)の年間支出は、2002年(1万6133円)から下がり、2011年には1万2962円まで落ち込んだ。その後は回復したが、コロナ禍で2020年(1万2751円)に再び減少した。
コロナ禍後は外食機会の増加と、値上げ効果もあり、2024年(1万6236円)は、22年ぶりに1万6000円台まで回復した。
値上げ効果に加え、インバウンド向けメニューなども寄与し、大手チェーン店を中心に業績が好調だ。スシローは、国内の売上高が1959億円(前年同期比11.6%増)で、くら寿司は1324億円(同1.8%増)だった。
一方、小規模店ではコスト上昇を価格転嫁するのは客足に直結するため難しい。東京商工リサーチは「インバウンド需要も有限なだけに、すし店の倒産動向が飲食店の先行きをみる指標になる」とコメントした。
調査は、2016年から2025年10月までの過去10年間のすし店の倒産を集計・分析した。
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