小暮氏によると、メンバーが自走するための言語化ステップは3つだ。「メンバーが行動しない主な理由は、『ゴール』『作戦プラン』『アクション』の3つの曖昧さに集約される。つまり、リーダーはこの3つを明確に言語化する必要がある」(小暮氏)
1つ目の「ゴール」は誰が見てもできる状態を定義することだ。定量・定性の両方で明確化する必要があり、特に定性的なゴールは「誰が、いつ、何をできるのか」という共通認識が持てる表現にすべきだ。
2つ目の「作戦プラン」は、ゴールに到達するためのルートを定義することだ。「知名度を上げる」「Web経由で〇件の問い合わせがある」など、ゴールを達成したと言えるための必要条件を列挙する。この必要条件が、次ステップへとつながる小目標となる。
3つ目の「アクション」では、具体的な行動の「粒度」を定義する。「いい企画を出そう」といったような曖昧な指示ではなく、「何をするか」が即座に理解できるレベルまで掘り下げる。
リーダーがこの3ステップで言語化することを習慣化すれば、メンバー自身も言語化スキルを習得できる。そして、最終的にはメンバーがリーダーのやるべきことを代行できる=自走するようになる。「『優しく伝える』ことの前に、まず『何を伝えるか』を明確にすることが、組織の生産性とメンバーの成長に直結する」(小暮氏)
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