「長崎スタジアムシティ」485万人が来場 開業1年で見えた集客力と課題(5/6 ページ)

» 2025年11月20日 07時00分 公開

スピーディーな改善、地域回遊には課題も

 民間主導だからこそ、スピーディーな改善と柔軟な運営が可能だ。「ディズニーオンアイス」を実施した際には、イベント終了後にスケートリンクを1週間開放するなど、市民が楽しめる場を提供。完全キャッシュレスの見直しも、開業後に見えた課題に迅速に対応した一例といえる。

 民間運営の類似の事例として、「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道北広島市)がある。年間418万人(2024年)を集客する民営施設として、柔軟な運営を実現している点が共通する。

 Jリーグが2024年に実施した米国MLS(メジャーリーグサッカー)視察でも、民間主導の重要性が指摘されている。Jリーグのレポートによると、MLSではクラブがスタジアムを所有・運営し、将来的な整備の余白を持った「完成させない」設計思想をもとに、長期的視点で運営することが成長の原動力となっているという。

photo 民間主導だからこそできる施設運営

 長崎スタジアムシティでも民間主導の柔軟性を生かした取り組みを進めているが、同時に運営面の課題も見えた。

 施設中心にあるスタジアムのコンコースは回遊でき、各施設やコンテンツがつながる設計だ。大きな特徴でもある一方、岩下氏は「密集度が下がる分、平日は実際の来場数よりも閑散しているように映ってしまう。平日の集客を強化するか、動線設計を見直すか悩ましいところ」と語る。

 周辺地域への波及効果も今後の課題だろう。長崎商工会議所の調査によると、市中心部に位置する繁華街の浜町地区を訪れる人は減少傾向が続いている。

 長崎市もV・ファーレン長崎のホーム試合時に、スタジアムシティと浜町を結ぶ無料シャトルバスを運行させるなど回遊促進に取り組んでおり、市内全体の回遊促進もまだ伸びしろがありそうだ。

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