開業して1年が経過した「長崎スタジアムシティ」。通販大手ジャパネットホールディングス(HD)が総事業費1000億円を投じた複合施設は、年間の来場者数が延べ485万人を突破し、8月には単月で初の黒字化を達成した。「手探りの1年」を経て、民間主導ならではの運営で成果を上げる一方、収益力強化に向けた課題も見えた。
2024年10月にオープンした同施設は、JR長崎駅から徒歩10分に位置し、プロサッカーチーム「V・ファーレン長崎」が本拠地とする約2万席のサッカー専用スタジアムと、バスケットボールチーム「長崎ヴェルカ」の6000席のアリーナのほか、ホテル、オフィス、商業施設が集積している。
スタジアムは試合がない日も開放されており、座席での飲食も可能で、コンコース(観客が移動する通路部分)も周遊できるのが特徴だ。
スポーツ観戦者数は大きく伸びており、V・ファーレン長崎の平均来場者数は、旧スタジアムでの7300人(2023年シーズン)から1万5000人へ増加。長崎ヴェルカも、旧会場の収容数3000人弱から6000人のアリーナに移り、ここまで毎試合完売が続いている。
J2リーグやB1リーグの中でも、両チームの平均観客数は上位の部類に入る。しかし、年間485万人の来場者全体で見ると、スポーツ観戦が占める割合は限定的といえる。
スタジアムやアリーナを核とした施設を運営するうえで最大の課題は、試合のない日にいかに人を呼び込むかだ。そこで、長崎スタジアムシティは、日常利用できる仕掛けづくりに注力。オフィスには20社以上が入居し、商業施設にはスーパーや塾などを備え、日々の暮らしに根ざした利用シーンを生み出した。
その結果、平日には1万人弱の来場が定着し、週末には2万〜3万人が訪れている。同施設を運営するリージョナルクリエーション長崎の岩下英樹社長は「この1年間で、長崎市周辺の40万〜50万人が定期的に訪れる土台ができた」と手応えを語る。
ジャパネットが手がけた「長崎スタジアムシティ」 開業1カ月で55万人来場のワケ
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