まず、ミズノの業績を見てみましょう。
ミズノといえば、学校の体操服や部活のユニフォーム、スポーツ用品などで、日本国内で圧倒的な地位を築いてきたブランドです。ミズノの2025年3月期の売上高は2403億円と、スポーツブランドの中では大きい方ではありませんが、2026年3月期第2四半期も前期比105.8%、営業利益が120億円、営業利益率9.5%と、前期を超える伸びを示しています。売り上げ拡大というより、高収益企業としての礎を作っている様子がうかがえます。
ミズノの海外比率は38.7%と、アシックスの75.5%ほど高くはありませんが、年々海外売上比率も上げており、特にブラジルや中国での売り上げが伸びているのが特徴です。
商品カテゴリーではフットボールシューズとスポーツスタイルシューズが好調で、バレーボールなどのインドアスポーツ向けも伸びています。子どもの数が減り、中学の部活も減少傾向にある中で、野球だけに頼るのは厳しいため、さまざまな競技に対応した商品展開を強化しています。
最近では企業ユニフォーム事業も好調で、作業着などのワーク用品の売上高を、2027年度には2024年度の138億円から200億円に伸ばす目標を発表しています。ミズノは競技スポーツ向け商品を軸に売り上げを伸ばし、ワーク用品でBtoBの売り上げを積み上げつつ、ファッションでも使えるスポーツスタイルシューズなどの高機能シューズを投入し、女性や若年層などの新規顧客を獲得しています。
新規顧客獲得という点で、ミズノはこれまで採用してこなかった店舗戦略の強化も始めており、国内の直営店を今後2〜3年で50店舗まで拡大する予定です。
2025年9月に、JR高輪ゲートウェイ駅前の新しい商業施設「ニュウマン高輪」にも直営店を出店。若者やインバウンドで人気の渋谷パルコにも店舗を展開するなど、2025年9月中に東京都内で4店舗をオープンさせています。
従来のミズノのイメージでは、これらのファッションビルにミズノが店を構えることに違和感がありました。しかし、現在展開している復刻版の商品や機能性を強化した最新モデルのシューズを見ると、こうした出店も必要だと理解できます。
今後は大都市圏への出店をさらに増やし、「学校に強いミズノ」から「一般顧客にも人気のミズノ」となるよう、直営店比率を上げていく見込みです。これにより、地味な学校スポーツのミズノから、ファッションでも使えるミズノというブランドイメージの転換にもつながる可能性があります。機能性だけでなく、ファッション性も備えたところに、ミズノが目指す企業価値の新たな方向性が表れています。
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