事務系の派遣社員を主に派遣する会社では、結婚や出産で退職した女性が大きな役割を担っていました。子育てのため、フルタイムの正社員として再就職するのは難しくても、短時間勤務など融通が利きやすい派遣という形態では、採用されやすかったからです。
派遣を利用する会社としても、業務が忙しくなるコアタイムだけ派遣社員に来てもらった方が、費用を抑えられるというメリットがあります。また、出産後、派遣就業をする人は、能力やモチベーションが高い傾向があり、派遣先でも評判がよく、貴重な戦力になっていました。
しかし、近年では出産しても会社を辞めるのではなく、育児休業をとった後、今まで働いていた会社に復帰する人が増えています。内閣府の男女共同参画局は、次のような調査結果を公表しています。
2005〜2009年に第一子を出産した女性では、出産を機に56.6%の女性が離職していました。ですが、2015〜2019年に第一子を出産した女性では30.5%と、離職する人が減っています。
女性の年齢階級別労働力人口比率は、2015年には結婚・出産期に当たる30〜34歳を底とするM字カーブ(女性の年齢別労働力率をグラフにした際に、結婚や出産期にあたる30代前半を底とする、アルファベットの「M」のような形状になる現象)を描いていました。ですが、2024年には20〜50歳代まで台形に近い形を描いており、M字カーブはほぼ解消しているといえます。
出産後も今までの職場に復帰できるのであれば、あえて派遣と働き方を選択する必要はありません。そのため、派遣という働き方を希望する人は減ってきます。
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