本記事の内容は、LINEヤフーが11月17日に開催した「LINEヤフー BIZ Conference 2025」内で実施されたセミナー「LINEヤフーと描く、AI時代のサントリー流『広さ×深さ』マーケティング最前線」の内容を要約したものです。
飲用方法を誤った際のリスクから、アルコールへの社会的な目は厳しさを増している。今後、さらなる広告規制の可能性も考えられ、大手飲料メーカーのサントリーも例外ではない。
若者の酒離れやコロナ禍で加速した健康意識の高まり、コスト高騰、人口減少などアルコールを取り巻く市場環境が大きく変化する中で、同社が目指すマーケティング戦略を、宣伝領域とCRM領域の2軸で深堀りする。
サントリーは宣伝活動を「ブランドを知って共感し、最終的にファンになってもらう」ための手段であるとし、「生活者の心を動かす」ことを目標としている。サントリーホールディングス コミュニケーションデザイン部 宣伝部の野口光太課長は「サントリーは顧客を『消費者』や『ユーザー』ではなく、『生活者』と呼ぶ。これは、365日24時間の生活全般に目を向けたいという思想に基づく」と話す。
かつてテレビが強い影響力を持っていた時代、同社の宣伝活動はテレビ主体だった。しかし、メディア接触が多様化した現代において、同社はテレビのリーチパワーダウンを、デジタル広告などで補完する「統合プランニング」を採用している。
テレビとデジタルの出稿比率を変更するABテストを実施したところ、エリアB(デジタル比率を約10%増)はエリアA(従来比率)に対し、ブランド認知、広告認知ともに約13ポイント上回る結果に。テレビ、デジタル広告、OOH(屋外広告)を組み合わせた統合プランニングは、年間で数億円規模の広告効果改善があることが分かった。「複数のブランドで実験を行ったが、同様に全て良い結果が出た。そのため、統合プランニングは有効だと結論付けた」(野口氏)
テレビのリーチパワーダウンを、デジタル広告などで補完する同社は、特にLINEヤフー広告の出稿を増やしている。その理由について、野口氏は「デジタル媒体の利用比率を調査すると、LINEヤフーのみという層が約26%存在する。つまり、他の大手メディアをあまり使っていないユーザー層に対してリーチできる媒体である」と説明する。
デジタル広告は目的によって使い分けており、動画は情報量が多く同期性もあるため、ブランドの世界観を伝えきる方法として重視。静止画は、動画を最後まで見ない層=2〜3秒で離脱する層に対し、必要な情報を凝縮して伝える手段として活用している。
加えて、同社はOOHへの出稿にも注力している。「OOHは生活者側からすると『たまたま出会った』と感じられるため、『狙われている』『追いかけられている』といったネガティブな感情を抱かせづらい」と野口氏。JR御茶ノ水駅での80メートル広告を例に挙げ、「大きい面だからこそできる表現があり、それを生活者が面白がることで、ブランドを好きになってもらうことにつながる」と話す。
後編では、自社で購買データを持たないサントリーならではの「共感獲得」を重視する施策や、AI活用について掘り下げる。
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