同社のCMに多数出演している俳優の吉沢亮さんが2024年の暮れ、泥酔してマンションの隣室に不法侵入していたことが判明した。このことを受けて、「CM停止」をしなかったどころか、こんな前代未聞の「応援メッセージ」まで出したのである。
吉沢亮さんは、アイリスオーヤマのブランドアンバサダーの一人として、卓越した表現力と幅広い支持層を持つ俳優です。これまで多くのお客さまに当社の魅力を伝えていただきました。その存在感は、ブランド価値の向上にも大きく貢献していただいております。
今回の契約継続は、吉沢亮さんの今後の挑戦を応援し、共に頑張っていきたいという当社の決意を示すものです。(アイリスオーヤマ公式Webサイト 2025年1月14日)
SNSではこのメッセージを絶賛する人が多く、中には「家電を全てアイリスオーヤマにします!」なんて感激しているファンまでいるという。
さて、そんなアイリスオーヤマの“神対応”を聞くと、企業で危機管理を担当している人などは頭がこんがらがってしまったことだろう。
一般的に、企業が広告に起用しているタレントが警察沙汰になるような不祥事を起こした場合、その広告を迅速に停止・差し替えなど行い、タレントとも契約解除をするのが危機管理のセオリーとされる。専門家が記載している「マニュアル本」にもそのような対応が推奨されているので、お読みになったことがある方もいらっしゃるだろう。
実際、吉沢さんに対してもそのような厳しい考えに基づく対応が多い。
「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の広告に吉沢さんを起用していたアサヒビールは発覚当日にCMを停止、翌日には契約解除という厳しい対応をした。「まあそれはアルコール飲料会社だからね」という人もいるが、そうではない企業も同様だ。洗口液「ピュオーラ」のCMに起用していた花王も不祥事報道を受けて、公式Webサイトから吉沢さんの動画を削除した。CMではないが、2月14日に公開されるはずだった主演映画も公開延期されている。
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