中出: 「AI導入により自分の仕事がなくなってしまうのでは」という不安感を抱く話も聞きます。また、PoCを多々しても本実装に進まない悩みを持つ企業は少なくない中、成功の要因をどのように分析されていますか。
本田: 社員の声を聞く限り、「AIに仕事を奪われるのでは」といった不安はほとんどありませんでした。むしろ、「業務を支えてくれる便利なツール」として前向きに捉えている人が多かったですね。
導入初期には、使い方のマニュアルに加えて、すぐに使える約100個のプロンプト集(生成AIへの指示文のテンプレート)を社内で独自に整備しました。 最初から使える事例集を準備してスタートを切れたのは、浸透を加速させた要因の一つだと思います。
後藤: Teamsでコミュニティを作り、 YuMe*ChatAIに関する情報を発信したり、質問をしやすい環境を整えたりました。コミュニティの中で出てきた質問に対しては、他部門の社員も積極的に回答し、協力して疑問を解決するサイクルが出来上がったことも、大きな要因だったと考えます。
本田: 生成AIの導入決定から約2カ月で準備が完了し、AI活用がスタートしたのですが、スピード感も重要だと思いました。
加藤: 今回の基盤になったAzure OpenAI Serviceに関しては、基盤が既に世の中にそろっている状態でした。われわれは後発だったので、先行企業や仕組みの“いいとこ取り”をした面はあります。
小幡: 先行企業に直接ヒアリングし、成功事例と失敗事例の両方を学んだ上で「当社はどうするか」を検討できたことは、後発ならではの強みでした。
AI導入のカギは「行動変容」 ソニーグループが実践した、“現場が使いたくなる仕組み”とは?
毎月「5万時間」を創出 ソニーが語る“一番影響が大きかった”AI施策とは?
流入「80%減」 AI検索で大打撃を受けたHubSpotは、どうやって“未来の顧客”を取り戻した?
年間「8.7万時間」の削減 ソフトバンクの営業組織は、なぜ「AIに優しく」するのか
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体
月次報告180時間が「ゼロ」に パナソニック くらしアプライアンス社が挑んだVoC分析の改革Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング