倒産件数が過去10年で最多に、最も多かった業種は？（1/2 ページ）

[カワブチカズキ，ITmedia]

　企業の倒産件数が増えている。リスクモンスター（東京都中央区）が調査結果を発表し、2025年の倒産件数は7898件となり、前年（7538件）から4.8％増加した。コロナ禍のセーフティネット政策によって、2021年に倒産件数は大幅に減少したものの、2022年以降は増加を続け、直近10年間で最多となった。

2025年の倒産件数が過去10年で最多を更新（画像はイメージ、提供：写真AC）

　業種別にみると、18業種中11業種で前年を上回った。トップは「卸売業、小売業」（1614件）だった。物価高騰の中、価格転嫁が顧客離れにつながりかねない小売業では、収支が悪化し倒産に至った企業が増加した。

　増加数では「不動産業、物品賃貸業」（前年比131件増）、「サービス業」（同38件増）、「製造業」（同35件増）において、前年からの増加が目立った。一方、「運輸業、郵便業」（47件減）が最も減少した。燃料価格の運賃への転嫁の浸透や、複数の法改正が業界全体の改善につながった。

業種別倒産件数（出所：プレスリリース、以下同）

　地域別では、9地域中5地域で前年を上回った。「関東」（前年比149件増）、「関西」（同121件）は、100件以上の増加が生じた。また、「北陸」（同44件）は増加率が最も高く、これらの地域では倒産リスクが高まっていることがうかがえる。

　都道府県別では、29の都府県において倒産件数が前年を上回った。「愛知県」（同65件）、「東京都」（同60件）の件数増加に加え、「福井県」（同18件）、「徳島県」（同16件）の増加率の高さが目立った。

地域別

　売上高規模別では、「10億円未満」の中小・零細企業が94.8％を占め、そのうちの約半数が「1億円未満」（52.3％）の企業だった。

売上規模別

　2024年12月から2025年11月までに発生した倒産に基づいて集計した。件数は、法的倒産（破産、特別清算、民事再生、会社更生）および私的倒産を含む。