電機・光学メーカーのコニカミノルタ(東京都千代田区)は7月、高度な専門スキルを持つ人材を事業横断で活用する「スキルシェア制度」(社内副業)を導入し、SNSを中心に話題を集めた。
1案件当たり最大月20時間、最長3カ月にわたり、社員が現在の部署に所属したまま、他部門で“社内副業”という形で働ける仕組みだ。業務時間に応じた追加手当も支給する。
2025年から実施した2回のトライアルでは、36件の業務依頼のうち27件で、担当する社員とのマッチングが成立。外部委託費の抑制や、これまで手が回らなかった業務の推進といった効果も確認できたという。
スキルシェア制度の仕組みや導入の背景、今後の展開について、コニカミノルタで人事部 技術人財強化グループリーダー(部長)を務める大西和子氏に聞いた。
スキルシェア制度は、社員が現在の部署に所属したまま、専門スキルを生かして他部門の業務に取り組む仕組みだ。人材育成を主な目的とするインターンシップとは異なり、専門性を生かして実際に業務上の成果を出すことを重視している。
一般的な兼務の仕組みでは、本業の勤務時間の一部を別部門の業務に充てる方法もある。一方、コニカミノルタのスキルシェア制度は、本業の時間は削らず、通常業務の成果や品質も維持することが前提だ。その上で、専門性を生かした追加業務に取り組むとしている。
業務時間は月5時間、10時間、20時間の3つの枠を設け、期間は最長3カ月とする。募集する部門が、案件の内容や必要な支援の量に応じて設定する。例えば、スキルを持つ人の知見を聞きたい程度なら月5時間、一定の作業を伴う案件なら月10時間や20時間と、必要に応じて使い分けられる。
スキルシェア制度に参加した社員には、通常の給与とは別に、業務時間に応じた手当を支給する。月20時間の案件なら10万円、10時間なら5万円、5時間なら2万5000円だ。手当は人事部ではなく、業務を依頼する部門が負担する。
手当は、社員の年齢や給与グレードにかかわらず、業務時間に応じて一律に支給する。20時間で10万円という金額は、一般社員の中で最も高い給与グレードの時間単価を基準に設定した。
「専門性を要する業務ができるかどうかで募集しているので、社員のグレードにかかわらず同じ基準で手当を支給すべきだと考えた。ITスキルやデータサイエンスの領域は、必ずしも中堅社員が若手より長けているとは限らない。若手社員が手を挙げてやってくれることもある」(大西氏)
制度の導入に合わせ、社員と業務をマッチングするプラットフォームも内製で開発した。マッチング方法は、事業部門が提示した業務に社員が応募する「募集型」と、登録されたプロフィールを基に、依頼する部門が特定の社員に声をかける「指名型」の2種類だ。
応募の際は、現職の上司の許可が必要だ。応募後は書類選考や面接を行い、依頼部門、参加社員、現職の上司の3者で業務内容などを確認し、合意した上で開始する。トライアル段階では、上司の承認を得るタイミングを後の段階に設定していたため、部下が他部門の業務に参加することによる本業への影響を懸念する声も上がった。本格導入では、応募前に上司の承認を得る運用に変更した。
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