部下が「もう、仕事が終わったので」と定時より前に帰ろうとします 引き止めたらパワハラに当たりますか?(3/3 ページ)

» 2025年12月25日 08時00分 公開
[佐藤みのりITmedia]
前のページへ 1|2|3       

パワハラが起きやすいケース

 パワハラは何の問題のない従業員に対して、一方的に上司が怒り出すなどして生じるケースの方が珍しく、通常はミスが多かったり企業秩序を害したりと、何らかの問題のある従業員に対する指導が行き過ぎることにより生じます。したがって定時を守らず帰ろうとする従業員に対しても、強引に引き止めるのではなく冷静に落ち着いて向き合いましょう。

 なお、労働者のさまざまな事情に応じて柔軟に有給をとれるように、時間単位の有給休暇制度を導入することも考えられます。

 年次有給休暇は原則1日単位ですが、年5日の範囲内で、時間単位での取得が可能となります。時間単位の年次有給休暇制度を導入する場合には、 就業規則への記載と労使協定の締結が必要になります。

 実際に、時間単位の有給については当日の申請も可能としている会社もあります。このような制度を導入すれば、仕事を早く終えた場合などに有給を使いながら、従業員が柔軟に帰宅時間を早めることができるようになるでしょう。

 その他、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる「フレックスタイム制」を導入している会社もあります。

 労働時間のあり方については従業員の労働状況の実態をみながら、さまざまな制度の導入を検討することも一つの方法でしょう。

佐藤みのり 弁護士

photo

慶應義塾大学法学部政治学科卒業(首席)、同大学院法務研究科修了後、2012年司法試験に合格。複数法律事務所で実務経験を積んだ後、2015年佐藤みのり法律事務所を開設。ハラスメント問題、コンプライアンス問題、子どもの人権問題などに積極的に取り組み、弁護士として活動する傍ら、大学や大学院で教鞭をとり(慶應義塾大学大学院法務研究科助教、デジタルハリウッド大学非常勤講師)、ニュース番組の取材協力や法律コラム・本の執筆など、幅広く活動。ハラスメントや内部通報制度など、企業向け講演会、研修会の講師も務める。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR