部下が「もう、仕事が終わったので」と定時より前に帰ろうとします 引き止めたらパワハラに当たりますか?(1/3 ページ)

» 2025年12月25日 08時00分 公開
[佐藤みのりITmedia]

Q&A:これってハラスメント?

職場で起こりがちなトラブルを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。

Q: 部下が「もう、仕事が終わったので」と定時より前に帰ろうとします。引き止めたらパワハラに当たりますか?

定時前の帰宅を注意するのはパワハラか?(ゲッティイメージズ、以下同)

佐藤みのり 弁護士

慶應義塾大学法学部政治学科卒業(首席)、同大学院法務研究科修了後、2012年司法試験に合格。複数法律事務所で実務経験を積んだ後、2015年佐藤みのり法律事務所を開設。


A: 社会通念上、不相当な引き止め方をしなければ、引き止めただけで、直ちにパワハラになることはありません。

 「定時」については就業規則で定められているものと思います。常時10人以上の労働者を雇用している会社は、必ず就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。

 そして就業規則には、必ず記載しなければならない事項として「始業および終業の時刻」が含まれています(労働基準法89条)。就業規則の内容は、法令や労働協約に反してはなりません(労働基準法92条、労働契約法13条)。

 労働時間については、原則1日8時間以内、1週間で40時間以内の範囲にする必要があります(労働基準法32条)。

 ただし、従業員の過半数が加入している労働組合(過半数が所属している労働組合がない場合は、従業員の過半数の代表者)との間で、会社が「時間外労働・休日労働に関する協定」を書面で結び、労働基準監督署に届け出れば、1日8時間以内、1週間で40時間以内を超えて働かせることができます(労働基準法36条)。

 この協定は労働基準法36条に規定されていることから「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。

 その他、会社は1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければなりません(労働基準法34条)。

 こうした法令に反しない範囲で、多くの会社は、就業規則において「定時」を定めています。したがって会社は、就業規則に基づき、勝手な早退をしないよう、従業員に対して求めることができます。

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