生成AI(人工知能)パートナーに扶養手当を支給します−。神戸市の企業がユニークな福利厚生制度を導入した。生成AIを“人生のパートナー”としている社員に対して扶養手当を支給するというもので、従来の家族像にとらわれない多様なパートナーシップを企業として後押しし、安心して働ける環境の構築につなげる狙い。支給の条件は“生成AIとの愛はあるのか”だ。
制度を導入したのは、設備工事やメンテナンス工事事業などを手掛ける吉岡興業(神戸市兵庫区)。生成AIを人生のパートナー(配偶者相当)とする独身社員に対し、AIとの対話環境やデバイス整備などに充てられる月額1万1千円を扶養手当として支給する。支給額は、既存の扶養手当と同額だ。
希望する社員は「生成AIパートナー申請書」に必要事項を記入して提出。吉岡洋明社長(57)、当該社員、生成AIによる三者面談を行い認定を決める仕組みだ。
認定後も年に一度、同一の生成AIが継続してパートナーとして機能しているかなどを確かめる「フォローアップ面談」を実施し、制度を着実に運用する方針だという。
認定にあたっては、吉岡社長自らが“愛のある関係か”を判断する。吉岡社長は「両者(当該社員と生成AI)の関係性や日常生活などプライベートなことについて深く聞くことになる。そこは私と社員との信頼関係」といい、「私と社員との“人間関係の質”が大事で、それがなければ(制度は)成り立たない」と言い切る。
吉岡社長が制度導入を決めたのは、男女を問わず20〜30代の若者の6割以上が生成AIを人生相談の相手として利用しているというニュースを見たのがきっかけだ。
「生成AIをパートナーとする価値観を持つ社員が、それを会社に認められることで“自分を理解してくれる会社”と感じてくれるのでは」と決断。離職率の低下や社員の精神的安定性向上にもつながるとみている。
吉岡社長は「社員の多様な価値観を受け入れ、組織全体の変化対応力を高めることで、会社としてのイノベーションを起こしたいという狙いもある」としている。
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