なぜ、ペットツーリズムが盛り上がっているのか。取材を通じて見えてきたのは、「ペットの家族化」と「受け入れ態勢の向上」だ。
ペットフード協会の「2025年 全国犬猫飼育実態調査」によると、全国の犬・猫の推計飼育頭数は約1566万7000頭(犬が約682万頭、猫が約884万7000頭)で、同年の15歳未満の子どもの人口1366万人を上回る。
単身世帯が増え、少子化が進むなかで、ペットを家族と同等の存在だと考える人が増えているようだ。
葬儀事業などを運営するサンセルモが、ペットの飼育経験がある男女に実施した「ペットの家族化に関する意識調査」では、72.9%がペットを家族(人間)と「全く同等」、または「ほぼ同等」の存在だと回答した。
そうした価値観の影響もあってか、ペットにかける費用は上昇傾向にある。矢野経済研究所によると、2024年度のペット関連総市場規模は前年度比2.6%増の1兆9108億円を見込んでおり、特にペットフード市場は伸びが目立つ。また、ペット保険のアニコム損害保険の調査では、飼い犬にかけた2024年の年間支出額は約41万円で、前年比122.3%に伸長した。
人間の家族と同様に、「犬と一緒に出かけて思い出を作りたい」というニーズも高まっている。アイペット損害保険が2024年に実施した調査では、犬飼育者の6割以上が「積極的にペットと旅行に行きたい」または「可能であればペットと旅行に行きたい」と回答した。
また、ペットフードを開発・販売するバイオフィリアが2024年に実施した調査では、犬飼育者が犬と一緒に旅行に行きたい理由として、「家族だから」「愛犬との思い出を作りたい」が上位にランクインした。
こうした需要を受け、各社がペットツーリズムの受け入れ態勢を強化。その結果、犬同伴の旅行者増につながっている。新たなビジネスチャンスとして、多くの観光事業者が同市場に注力しており、トレンドのさらなる拡大が見込まれる。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
関連サイトはこちら
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
「コンテナホテル」が郊外にどんどん増えて77店舗に 稼働率80%の理由は?
東横インの「47都道府県バッジ」が人気 富士山は静岡か山梨か、小さな争奪戦
「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング