取引停止、本当の理由は別にある 中小企業を直撃する“セキュリティ格差”による選別ミツモアの調査

» 2026年01月26日 08時00分 公開
[サトウナナミITmedia]

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 2025年に相次いで発生した大手企業のランサムウェア被害を受け、企業のサイバー攻撃への警戒意識が高まっている。

 見積もりプラットフォームなどを運営するミツモア(東京都中央区)の調査では、サイバー攻撃への危機感や対策状況に、大企業と中小企業の間で隔たりがある実態が明らかになった。

 その差は、単なる意識の違いにとどまらず、「取引を続けられるかどうか」という現実的な問題として、企業の明暗を分け始めている。

photo ミツモアは「サプライチェーンセキュリティに関する実態調査」を実施した(提供:写真AC)

サイバー攻撃への危機感、大企業と中小企業でギャップ

 昨今のサイバー攻撃について「よく知っている(内容まで把握している)」と回答した割合は、大企業が77.7%だったのに対し、中小企業では29.4%にとどまった。大企業と中小企業で約50ポイントの差が開いている。

 さらに「非常に危機感を感じた」という回答についても、大企業の65.6%に対して中小企業は30.4%と、大きく差が開いた。

photo サイバー攻撃への認知度と危機感の比較(出所:プレスリリース、以下同)

 自社のセキュリティ対策の実施有無については、実施済みの大企業が55.1%であるのに対し、中小企業は27.8%と約半分だった。

photo セキュリティ対策の実施状況

取引現場で起きている「静かな選別」

 サイバー攻撃への対応の差は、企業間取引の現場にも影を落としている。

 セキュリティ不備を理由に「契約停止や改善要求などの取引見直し」を実行した大企業は66.8%だった。具体的には「契約更新を見送った・停止した」が40.0%、「新規取引の提案・見積もりを断った」が26.4%となった。

photo セキュリティ不備を理由とした大企業の取引先への対応

 一方で、取引停止・取引縮小を経験した中小企業が自社で認識していた理由を見ると、「景気悪化」(15.6%)や「価格競争」(11.8%)が多く、「セキュリティ」はわずか4.3%にとどまった。

 大企業ではセキュリティを理由とした取引見直しが進んでいるが、中小企業ではセキュリティが取引に影響しているという認識が低い様子が見られ、両者の間に認識のズレが生じていることが浮き彫りになった。

photo 中小企業が認識する取引停止の発生理由

 中小企業のセキュリティ対策が進まない理由は、「予算不足」が31.3%、「専門知識の不足」が29.9%、「何をしていいか分からない」が11.4%だった。

 調査は2025年12月25〜27日にインターネットで実施。従業員1000人以上の企業の発注業務担当者221人、従業員300人以下の中小企業の経営者・役員・担当者221人から回答を得た。

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