なぜ、100枚4400円の「ビックリマンAI名刺」はヒットしたのか 「公式が使う生成AI」の成功例老舗IPと生成AIの融合(2/5 ページ)

» 2026年01月29日 06時00分 公開
[熊谷ショウコITmedia]

生成AI技術で生まれた「ビックリマンAI名刺メーカー」

 本サービスの特徴は、単なるAI生成画像サービスにとどまらない点にある。生成されたキャラクターは、公式のビックリマンキャラクターと同一フォーマットに配置され、名刺として配送する。

 ビックリマンは、1977年に発売されたシール付きチョコレート菓子「ビックリマンチョコ」から生まれたキャラクターIPだ。第10弾「悪魔VS天使シール」のヒットを機に、社会現象的なブームへと広がった。本サービスは、この「悪魔VS天使シール」の40周年を記念して、名刺上で隣に並ぶキャラクターを「スーパーゼウス」「スーパーデビル」「ヘッドロココ」の3種からランダムで選ぶ仕様としている。

 このランダム仕様は、ビックリマンチョコを開封する際の「何が出るか分からないドキドキ感」を再現したものだ。

名刺表面の作成フロー(出典:公式Webサイト)

 「悪魔VS天使シール」の40周年を記念した企画ではあるが、構想自体は40周年をきっかけに始まったわけではない。ロッテ側は、エンタメ領域におけるAI活用の可能性を模索していた。一方のアルも、「生成AIをエンタメ用途で、問題なく楽しめる形にできないか」という課題意識を抱えていた。

 「ユーザーが勝手に生成AIでキャラクターをつくり、楽しんでいる現実は止められない。だったら、公式が“これならOK”という体験を用意すべきだと考えた」(古川さん)

 両者は共通の知人を通じて知り合い、「みんなに楽しんでもらえるエンタメ的なAI活用」という考えで意気投合。ビックリマン以外のIPも含めて議論する中で、40周年という節目を迎える同ブランドが軸に定まった。

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