最大の難関は、生成AIの出力調整だった。写実的すぎず、かといってデフォルメが強すぎない表現。「ビックリマンらしさ」の最適解を探るため、プロンプトを徹底的に調整した。
あえて生成回数を「3回まで」に制限した点も象徴的だ。名刺をつくる行為そのものを“エンタメ体験”にするための設計で、購入フローに違和感やトリッキーさを感じさせないことにも注力した。
ロッテ側は「本物のビックリマンを買ったときの体験」を何より重視。ロゴを入れればそれっぽくなる、といった安易な方法は取らず、公式だからこそ出せる品質にこだわった。
両社がヒットの要因として挙げるのは、「公式が主導し、正しい形でAIを活用した」点だ。生成AIには否定的な反応が出る可能性も想定していたが、運営面の柔軟さと設計段階での配慮により、大きなトラブルには至らなかった。
加えて、著名人によるSNS投稿が拡散を後押しした。懐かしさと新しさが同居する体験は、コアファン層を超えて広がっていった。
「個人的に興味深かったのは、100枚4400円という価格が受け入れられたこと。SNSを見ていても、“高い”という反応はほとんどなかった」(古川さん)
「ビックリマンは熱狂的なファンも多く、自分がビックリマンシールのキャラクターになりたいといった声もいただいていたため、その声に応えられた。公式が手の届く範囲の価格でサービスを提供した点も、時代に合致していたといえる」(本原さん)
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