ビックリマンといえば、シールを集める体験そのものに価値が置かれてきたブランドだ。では、なぜ今回は名刺だったのか。
本原さんは「シールは『お菓子の中にあるもの』として守りたい。一方で、その体験を別のビジネスに転用できないか検討した。そこで浮上したのが名刺だった」と話す。
開発は、アルがプロトタイプをつくりながら、雑談とディスカッションを重ねるスタイルで進行した。「学生サークルがサービスをつくるような感覚だった」と古川さんは振り返る。どちらか一方が主導するのではなく、互いの専門性を持ち寄り、即断即決で進めたことが、結果的に開発スピードを大きく短縮した。
特徴的なのは、とりわけ大手企業では膨大になりがちな確認プロセスを最小限に抑えた点だ。ロッテ側は、本原さんがブランドの最終判断に集中し、アル側は、AIとUXの設計に専念した。確認にかかる時間というボトルネックを解消したことで、企画と開発のスピードが上がり、顧客価値の創出に注力できる体制が整った。結果として、4月の顔合わせから12月のリリースまで、1年以内というスピードを実現している。
当初、リリース期日は設けておらず、「もし似たようなサービスが先にリリースされたら、世に出さないという退路もあった」という。「ビックリマンというブランドを分かっていて、熱量のある人が直接サービス制作に入っていた点が肝だった。ニュースタンダードをつくるためにスピード感を持ちつつ、互いに妥協はしない。だからこそ新しいものが生まれた」(古川さん)
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