ただでさえ、現代の仕事は精神的緊張を強いられがち。職場ではひたすらPCの画面を見つめ、時間的なプレッシャーに晒され無駄話もせず、黙々と仕事する。プレッシャーだらけの24時間を強いられているのが、現代の労働者なのです。
「会社とつながる」「上司とつながる」「同僚とつながる」「顧客とつながる」ことが、どれだけストレスやプレッシャーを人に与えるのか? その先にあるものを考えれば、企業は「つながらない権利」を実現するための策を徹底して考える必要があるはずです。
会社としてまず取り組むべきは、形だけのスローガンではなく、「つながらないこと」をルールとして明文化し、組織の文化をアップデートすることです。
具体的には、まず「勤務時間外の連絡に関するガイドライン」を作成し、どの範囲の連絡が緊急で、何が翌営業日で良いのかを、明確に定義し、見える化します。加えて、予約送信機能を活用して深夜や休日のメール配信を控えるといった運用の徹底や、休暇中の社員には一切の連絡を遮断する「完全オフ制度」の導入も有効です。
しかし、最も重要なのは、リーダー層の意識改革です。上司が自ら「休日はレスをしない・させない」という姿勢を背中で示し、「即レスこそが正義」という無言の圧力を解いていかなければなりません。
社員が安心してスマホを置き、心から「切断」できる環境を整えること。それは特別な恩恵ではなく、一人の人間としての「当たり前の生活」を会社が保障するということです。その安心感こそが、社員のパフォーマンスを最大化させる最強の戦略なのです。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)、『40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか - 中年以降のキャリア論 -』(ワニブックスPLUS新書)、『働かないニッポン』 (日経プレミアシリーズ) 、『伝えてスッキリ! 魔法の言葉』(きずな出版)など。
新刊『「老害」と呼ばれたくない私たち 大人が尊重されない時代のミドル社員の新しい働き方』(日経BP 日本経済新聞出版)発売中。
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